「急な事で申し訳けないのですが、納骨が出来ないので 追いでてもらえませんか?」とお寺様の奥様からお電話をいただきました。東京からお越しの施主様がお待ちだというので、たまたま主人が居たので、道具を持ってあわてて、お寺に伺ってもらいました。帰ってきた主人に、納骨できなかった訳を聞くと、水鉢をコンクリート留めしていたそうです。通常の型の墓石の場合、水鉢を取り除けて納骨します。そのため、水鉢をコンクリートや接着剤で留めることはしません。戦前に作られたお墓には、台石に切込みを入れ納骨するための空間を作って無いものや、すべて手作業で作っていた時代のお墓は、精度が出てなくて水鉢の後ろ面と台石の面がぴったり合わない事があります。今回のお墓さんは後者ケースで、出来た隙間にコンクリートを詰めていたようです。
コンクリートが劣化して亀裂が入っている場合は、力をいてれ、水鉢を前後左右に動かせば、留めていたコンクリートが外れるのですが、今回のお墓の場合は、取れなかったようです。お伺いして程なく納骨は無事済みましたが、水鉢を戻すと1cm程度の隙間が開いていたので、大量の雨水やハチが納骨室に入るのを防ぐために、また、隙間を防ぐことになりました。そこで、後々のことを考えて、今回は漆喰入りのコンクリートを使うことにしました。漆喰入りのコンクリートは、繊維が入っているのでひび割れしにくいのと、接着力が弱いので、取れやすいのです。納骨は男の方二人いれば、水鉢を動かすことが出来るので、石屋が呼ばれることはありません。ただ、どこから納骨するのかご存知でない方が多いため、新しく建ったお墓の場合は、納骨のお手伝いに伺うようにしています。
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