ひと月ほど前のお話です。商社の営業さんから問い合わせの電話がありました。『お客様が、かなり以前に取引があった青木石の仲買さんを捜して いるのだけれど、連絡がとれないのです。 電話番号か、仲買さんの家の住所分かりませんか・・・』その会社は、以前は、青木石をお買い上げいただき、随分、可愛がっていただいたのですが、ここ数年、中国に青木石の原石を輸出し、製品を作り逆輸入するパターンになったようです。そうすると、大量の青木の原石が必要になり、ウチが自信をもって卸せる原石では、産出量が少なく、経営方針に合わなくなってきたのです。会社ですので、利益を追求して会社の方針に合ったものをお客様に売るのは当然です。そして、この商社は、キチンとした良い会社です。ですので、ウチから青木石を仕入れてくれるか否かは別として、外国材の仕入れでは、今もお世話になっています。しかし、以前のこの会社の営業さんなら、現在取引の無い、しかも客筋に当るウチに、青木石の仲買さんの問いあわせはしなかったと思います。現在取引のある青木の原石を仕入れている所に問い合わせをして、調べてもらったのでは?と思います。もちろん、その営業さんも、営業さんに問いあわせたお客様も、困っているのだと思い、2~3聞きあわせたり、手元にある古い記録を引っ張り出し、分かる範囲の事をお知らせしました。その後、営業さんからは何のご挨拶も有りません。もちろん、お礼など聞きたくて動いたのではなく、以前お世話になった事に対して、お礼の気持ちで動いたのですが、以前は感じられなかった、営業さんのお行儀の悪さに、この会社の経営方針が変わった事や、変わらなくては会社として生き残っていけない世知辛い世の中を、ひとしお感じてしまい、このひと月ほど胸の中に引っ掛かっていたのです。人のことをどうこう言っても仕方有りません、「人のふり観て我がふり直せ」です。ウチがそう言うことをしなければいいんだと、思うことに致しました。
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