良いお墓とは。その2

先日、TVを観ていると住宅会社のCMで「高い金額を払わないと良い家は建てられないの・・・」と。その後に続く言葉は無かったのですが、「高い金額を払わなくても、良い家は建つんです」と言ってほしいなぁ~と、思いました。良い家作りと、良いお墓作りは、似てると思いますよ。住宅は生きている人が住む家。お墓は、亡くなった方のお骨を納める家。話は、突然変わるのですが、宝石のダイヤモンドを思い描いてください。あの宝石が全てダイヤと呼ばれても、各々の石の品質によって、値段に大きな差があるのは、皆さんご存知ですよね。みかげ石もそうなのです。最高級品と呼ばれる庵治石や、関西圏で人気の高い大島石も、どの国産の原石にも、色・石の模様(目あい)・変色が多く出るか少ないかなど、様々な石の持つ性質によって同じ名前で呼ばれる原石にも、金額にかなりの開きがあるのです。

昭和の60年代の事です。卸のお得意様から「なんでもいいから、安い青木石持ってきて・・」との注文がありました。そこで、当時一番安価な青木の原石を納品しました。工場長「しわくさん、これ本当に青木石?中国材と違うの?」しわく「青木の原石屋が、中国材は持って来ませんでぇ~。    うちが青木と言って持ってきた石は、    どんな石でも、青木石ですわぁ~」工場長「すまん。すまん。あんたが嘘つくことないもんなぁ~」このエピソードが示すように同じ青木と呼ばれる原石も、「ほんとに青木石?」とプロが見間違えるような原石もあるのです。これは、どの国産の原石にも言えることなのです。「どうしても庵治石でお墓を建てたい」と言う方や、「本家が大島だから、大島石で」とか、初めから石を指定なさる方もいらっしゃいます。そういう場合は、ご予算に合うグレードの原石を探しますし、石屋ならではの、ご提案をさせていただき、お施主さまにとって、より良い選択が出来るお手伝いをします。それから、お墓を『その後の生活に支障の無い予算内で建てる』ということも、大事なポイントです。生活に余裕がないと、お墓参りに行こうという気持ちさえなくなりますよね。私が、お墓に入った時の事を想像しますと、お参りに来てくれた家族が、ニコニコして、お墓のお掃除して、『皆元気でまた、お墓にお参りに来るからね』と、手を合わせてくれるのが、一番嬉しいです。立派なお墓をたてたけど、それで安心して、お墓参りに行かない、と言うパターンが一番よくないです。お施主様が、お墓をご自分の家に迎えたいとお思いなら、まず自分の希望をちゃんと伝えてください。うちにご依頼になったお施主様がおっしゃった記憶に残る言葉。『お掃除のしやすい、お墓にしてください』『お花の好きだった人なので、蓮華(れんげ)の細工が欲しいのです』『石の種類はこだわらないから、デザインの変わったのにして』『日本型のお墓の形に抵抗があるのです』それを踏まえて、いくつかのご提案をしました。そうするとお施主様から「ここ、こうしてやぁ~」とか、「予算を考えると、このパターン選ぶのがベストだね」とか、具体的な話になりました。『お参りに行きたくなるお墓』『うちが一番と誇れるようなお墓』は、お施主様が、お墓作りに参加して初めて出来上がるのです。

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