仏弟子としてのお名前

うちには、お預かりした法名・戒名が、たくさん有ります。亡くなったらあの世でなのるお名前をいただき、宗教によって法名とか戒名とか呼びますが、各宗派のお寺さんに、正確に尋ねた訳ではないけれど、同じ意味ととらえていいように思います。ちなみに法名○○・・・は、分かりやすく言うと氏名○○・・・と言うことなので、うちは、石に刻むとき『法名』は掘り込まない場合多いです。

石に彫る筆文字の原寸大のものは、文字彫りが済むと廃棄しますが、仕事なので、お預かりした時書きうつしたものは資料として残します。今、文字彫りのためにお預かりしている法名の中に『慈』『心』『珠』『光』の字をお持ちの法名があります。この方とは、ここ20年ほど1年に2回程度、毎年お逢いする機会がありました。法名をお授けになった檀那寺さんは、この方をよくご存知の方だったんだと思います。お人柄にぴったりあった漢字なのです。ご自宅にお伺いして、法名を書き写すとき『慈』と言う字を見て、合ってると思いました。『心』そうそう、何事にもいつもやさしい『心』が溢れていたなぁ・・・。きっと、仏様のもとへ『光』の『珠』となって行かれるんだと思いました。幼い日、父と実家の過去帳を見ていた時、明治初期に早世したご先祖様の法名に「美」と「男」と言う字があるのを見て、父が「この人、きっとオトコマエだったんだろうなぁ~」といったことがあります。時代背景もあったろうけど、この当時のお寺さんは、檀家さんのことをよくご存知で、亡くなった方の人となりに相応しい漢字を選んでつけていたのではないかなぁ~。仏弟子になったからの、取りあえずお名前はやはり寂しいし、仏様にも申し訳ない・・・。しわくせきざいHP

コメント

  1. まほろば より:

    おせわさまです。 関係ない話ですが、お寺に生まれた人は・・当然・・仏弟子になるので、親がそれなりの名前をつけるそうです。坊さん用に。たとえば「誠隆」は「じょうりゅう」というのが・・「法名」で、「のぶたか」が世俗の名・・・みたいに。 私みたいに・・途中から坊さんになる場合には好きな名前が決められます。 私は・・・「阿弥陀様の光」という意味の「暁光」というのですが、問題なくパスです。これが私の法名で「釈暁光」という名前で、しかも、実名になります。 ですから・・生きている間に、自分で考えて・・・本山で登録しておくと・・それが法名になります。もちろん、御門主様が「帰敬式」というお作法で、カミソリを頭に三度乗せて・・・いただく名前になります。これは公認になります。 できれば・・そうしたいものです・・。と、本山ではいうとります。

  2. しわく より:

    まほろばさん、東北の震災以降人の考え方が少し変わってきた様に思いますが、お寺さんの有り様も、檀家さんの有り様も、見直す時期が来てるのでしょうか。

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